埼玉代協は、独自の取り組みとして「新風会」という学びの場を組織内に設けている。新風会は、募集人育成を目的に企画運営されているもので、教育委員会の特命係的な役割を担っており、2017年4月にスタートした。年5回開催の座学では実践的な知識の習得・共有のほか、代理店の交流の推進に努めている。
新風会は、全員参加型のグループワークを中心に、保険知識、周辺知識、事故例研究、商品提案方法などの情報をもとに、自身の営業活動や代理店経営に生かすための実践的な勉強の場。会の名称には、埼玉代協に新しい風を起こしたいという思いが込められている。
もともと、埼玉代協の西部支部に所属する若手代理店たちが、相互研鑽を図るための学びの場として「次世代の会」という集まりを立ち上げた。この取り組みに影響されるように中央支部が「未来の会」を設置。こうした動きをふまえ数年前に、埼玉代協全体でこうした取り組みを進めるべきだという気運が高まり、埼玉代協教育委員会による主導のもと、すべての代理店を対象にした学びの場として「新風会」を立ち上げることとした。2016年度の1年間は会を運営させるための準備段階に費やし、2017年度(昨年4月)から、第1期として会をスタートさせた。今年4月から来年3月末までは第2期として、プログラムを進行中だ。
プログラムでは、グループワークや座学での講義を年5回の頻度で開催。現在実施中の2018年度の第2期では、今年5月に第1回目を開催し、開会式を経て職業倫理や募集時に注意したいコンプライアンスと業法改正への対応をテーマにした。2回目は7月開催で、自動車保険の事故例をもとに各募集人が体験した話をグループで情報共有した。座学ではドラレコの実際の映像を比較し、盛り上がりをみせた。9月の3回目は火災保険の第2回目同様、事故例をもとに情報共有をし、座学では代理店BCP講義を聞きながら「α米」を試食するなど趣を変える進行となった。11月の4回目は賠償責任保険の事故例共有をした。来年2月の5回目では、周辺知識として保険に関連した決算書の見方の習得を予定している。こうしたプログラムを通して知識や実践面の習得を主たる狙いとしているが、それに加えて第2期では『交流」と「共有」を大きなコンセプトに据えている。
埼玉代協会員で新風会サブリーダーの木村公彦氏は「参加者間での知識の習得と共有に加え、さまざまな年代のかたが集うこの場で、普段はなかなか触れ合えない他社の保険代理店たちとの交流を深めてもらいたいという思いがある。」と話す。
新風会リーダーの塚越大輔氏は、参加者同士が発表し合うグループワークの有益さを強調。『グループワークでは、事故の実例からみた経験の共有を図ったこともある。こんな事故があった、こんな保険・特約が適用できたという参加者間で実例を発表し合うもので、皆さんに大変喜んでもらえた」と話す。
会には、代理店や代理店研修生であれば代協会員でも非会員でも無料で参加が可能。一方、原則として保険会社の社員は参加対象外としている。年間を通した期ごとの参加者を募るのではなく、各プログラムの実施ごとに都度、参加者を募る。関心のあるテーマのときだけ参加するということも可能だ。毎回約30名が参加しているという。
来年4月は会発足3年目(第3期)を迎える。代理店による代理店のための学びの場。塚越氏は「今は保険代理店1社当たりの規模も大きくなり、同じ社内でも経営・募集・管理など担当業務が分かれていく方向性にある。会の運営がもっと軌道に乗れば、業務ごとのプログラムの用意もしていきたい」と会の発展を望む。
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